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僧侶や神官ではない一般の方が、寺院や神社にお参りするときの作法に、必ずすべて決められた通りにしなければならない、などと厳密に言われるようなものはありません。しかし、時として、そのように一定の作法がなく曖昧であるがために、どのように参拝すべきかと困惑してしまう方が出てこられることもあるようです。
そこで、ここでは現在の寺院・神社などにお参りする場合に用いられている、ごく一般的な最低限の作法をご紹介いたします。
服装に関しても、これと言った規定はありません。しかし、信仰から参拝することを目的としている場合はもとより、それが観光目的の場合であったとしても、あまりにだらしがなかったり、過度に露出の多い服装を、控えることが望ましいでしょう。
近年の日本では、「そこに心があれば、気持ちがあれば、形式や外見などどうでも良い」ということが過剰に言われすぎたためか、むしろマナーや文化程度の低下が著しく、目に余るまでになってしまっています。諸外国の諸宗教施設では、最低限の社会的マナーを守るのは当然ながら、服装についても露出を控えたものとすることが、規則にすらなっているところが多くあるのです。
当札所会寺社をご参詣の際に限らず、諸寺社を訪れる際には、そこが単なる観光地ではなく、そこを信仰する方達が多数ある宗教施設であると認識していただき、それに応じた態度・服装をとっていただくようお願い致します。
このとき、帽子をかぶっていれば脱帽して合掌し、頭を下げます。
境内ではなるべく脱帽しているのが望ましいのですが、日差しが強烈な日であったり、あまりに寒い日など、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるような場合は、この限りではありません。
まず、右手に柄杓(ひしゃく)をもって、水盤から水を汲み、左手を清めます。次に、左手に柄杓を持ち替え、同じように水を汲んで、右手を清めます。
そして、また右手に柄杓を持ち、左手に水を注ぎ、その左手に受けた水で、口をすすぎます。この時、決して柄杓の水を口で直接受けてはいけません。最後にふたたび右手の柄杓で左手を清め、柄杓を伏せて水盤の上に置きます。この時、手と口を拭うために、ハンカチや手ぬぐいなどがあれば良いでしょう。
本堂の前にロウソク立てや香炉があれば、ロウソクや線香をお供えします。お供えする線香の数に決まりはなく、大体1〜3本お供えするのが一般的のようです。時として香炉の灰の上にロウソクを立て、その火で線香をつける人がいるのですが、これは他の方の迷惑にもなり、香炉の灰もロウで固まるなどしてしまうので、してはいけません。
「鰐口(わにぐち)」という鈴を平につぶしたような打ち鳴らしか鈴などが、本堂に備えられていれば、これを静かに打ち鳴らします。
これには、言わば「音の供養」の意味があります。清らかな、耳に心地よい音を本尊に捧げるのです。ですから、鰐口などを力一杯たたくと大変きつい音になって、何のためにこれを鳴らすか意味が無くなってしまいますので、ゆっくり叩くなどして良い音を出すと良いでしょう。
本堂などに参拝することなく、山門を抜けたら一直線に納経所に向かい、朱印を受けたら、ただちに山門を出て何処かの寺院へ走り去るという、まさしく「スタンプラリー参拝者」もしくは「朱印コレクター参拝者」がしばしば見られるようです。
しかし、朱印は本来「納経の証」。巡拝などする前に、自宅などで『般若心経』等の経典を書写し、それを参拝した寺院に納めて、その証としていただくのが朱印です。ですから、御朱印を頂きたいとお望みでしたら、少なくとも本堂に参拝したのちに、納経所にて朱印を受けたほうが良いでしょう。
入るときには一礼し、出るときにも一礼する。これは寺院に限らず、一般のご家庭を訪問されたときなども、行われる日本の作法、慣習の一貫ともいえるものです。
やはり寺院を後にするときも、入ったときと同じように、山門や門柱を出たら振り返り、合掌のうえ頭を下げます。
鳥居をくぐる際は、その中央ではなく、左側を行くと良いでしょう。これは参道を行く際も同様です。参道の中央は、「正中(せいちゅう)」と言い、神の道とされているためです。
上に記した寺院の場合とまったく同様です。
現在、ほとんどの神社では、「二礼二拍手一礼(にれい にはくしゅ いちれい)」で拝礼するようになっています。この「二礼」とは、二度深々とお辞儀をすることで、丁寧には腰を90度まで曲げて頭を下げます。この「二礼」の後、二度丁寧に柏手(かしわで)を打ち、最後にまた深々と一礼します。
深々とお辞儀をすることも、柏手を打つことのいずれも、古くは人に対しても行われていた日本古来の礼法です。もっとも、飛鳥・奈良時代などでは、礼や柏手の回数が、今の「二礼二拍手一礼」よりも多かったようです。それを現在にまで継承しているのは、出雲大社や伊勢神宮で、古式に則って今も行っています。
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